別れが好きな色をまとっている
生きるものの周囲に死があった
それでも僕の手足は動かせて
チャンスは何度もやってきた
兄弟姉妹が寝静まる夜に
白昼には姿を消してたすみっこが
そんなら泣けばいいのにって誘うんだ
僕の我慢を知っていたんだ
磨いたナイフで瞳の色を知る
あれがよかったのに、
これがよかったのに、
わがままのまなざしは虚空を見ていた
望めばいつでもゼロになる
科学にも音楽にも救えなかったもの
つめたい唇であかりを灯す
言葉はひとりでに発光をはじめる
僕の嘘が誰かを救って
君の嘘が誰かを貶めるとき
天井から垂れ下がる紐がつくる
不完全な円の中に流れ星を見る
錯覚のように
魔法のように
宇宙を流れていく
あれは、僕の命だ
初めて水に潜った時に知った
青色とは光のことだと
すべての色は光のことだと
何度でも包まれることができるんだと
僕がそう望めば
僕がそれを拒まなければ
僕がそれに耳を傾けたなら
遮るものは何もなかった
首を通す代わりに腕を通して
破滅に向かう星をつかんだ
きらきらは輪っかをくぐって
僕の舌に宿ろうといった
誰も見向きもしない
科学や音楽が見落としたもの
目の小さな銀色の網を張って
さいしょの詩を君だけにつむごう