【雑記】幼女の懺悔

思い返しても「あれはしてはいけないことだった。今後どんなにつらいことがあっても絶対にしまい」と胸に誓うのは、わたしが幼稚園生の頃にしてしまったことです。近所にスーパーがあったのですが、夏になると8分の1スイカがならびました。わたしはその尾根(?)の部分を指で押してデコボコにしてしまった。押したいから押したのだが、きっとあのスイカは誰も買わない。なぜなら一番最初に食いつきたい部分が何者かの指で押されてボコボコにされていたので。もし犯人が幼女だとわかればすこしは「なーんだ」で済んだかもしれない。(済まない)。しかし犯人は何食わぬ顔をしてそのまま店を出たので、ボコボコにした犯人が実際誰なのかは想像もつかない。もしかしたら毒物を注入されたかもしれない。汚れた手の持ち主かもしれない。そう考えると売り物にならないだろう。当時のわたしには思いもよらないことだった。スイカを育てたひと、トラックで運んだひと、それを店頭に並べたひと、スイカを食べたくて買い物に来たのに買えずに帰ったひと、みんなの気持ちや経済に良くないことをしたと思う。本当に本当に申し訳ないことをした。だから夏になるとたくさんスイカを食べる。寝る前にたくさん食べると就寝中に尿意をもよおすが眠気を押してトイレへ行く時間はわたしへの執行時間だと思うのであの夏ダメにしてしまったスイカのことを忘れずに令和の夏もスイカを食べたい。もしあの夏あの夕方スイカ食べたかったけど買わずに帰ることになった徳之島在住の人がいま幸せならいいなと思う。あと子どもはスイカの尾根を指で潰す誘惑に勝てるほど強靭な自制心を持ってはいないのでもしスイカの前にたたずむ子どもがいたら目を離さないで欲しい。そして尾根を潰す動きを見せたら怒らずにスイカの生い立ちやかかわった人のこと、ちゃんと伝えてあげてほしい。人類の願いである。スイカは重たいし、育てるのもとても大変だ。それに、夏の風物詩というシンボル的存在でもあるからして、やはり、わたしはなんてことをしてしまったんだ…つらい…。と思う一方で「しかし無理だろう」と反論する声もある。あんな剥き出しの尾根を潰さずにいろと言うのか?8分の1カットだぞ、4分の1でも6分の1でもなくて。8分の1カットの絶妙な鋭利さ。「どうぞ指をおいてください。そのうえでそっと力を加えてください。シャクっと音を立てて凹みますので」と言わんばかりの姿…据え膳食わぬは5歳児の恥!…ああ、いけない、これではまるで反省していないどころか開き直った、大人になっても自制心のかけらもない不届きものみたいではないか、いやそうなのか?そうだとしても少なくとも悪いことをしたという自覚はあるんだ、そのうえで今なお葛藤してるんだ。でもやっぱり悪いことだ。してはいけないことだ。あれ以来一度もしていないし、8分の1カットに対しては本当に目にするのもつらい。ごめんなさい。