No.674

ゆうゆうと愛を食む
消したほうが増えるからと
神さまが言うんだ
一度も助けてはくれなかったが

ぼくはきみの指をもらおう
きみにぼくの心をあげよう
不完全も内包する
ここはパーフェクトワールド

悪意がなくては輝かない
信じ抜くほど無垢になれる
馬鹿を見たって痛むものか
産まれた以上の馬鹿はないのさ

存在する罪
息を吸うたび刺さる棘
忘れられるご褒美もないのに
記憶の上塗りを続けてる

ぼくを見て
きみを見て
ガラスでできた橋を渡って
五色の鳥が待ってる場所へ

ひっくり返してのぞき込んで
ひた隠しのエピソードを知ったところで
ひとつに戻れないことは覆せずに
ありふれたふたりに甘んじて朝を待つんだ