No.673

きみの曲が弾けなくて
名前のない方角へ頼んだ
次は六本指に作ってください
人はそれを祈りと呼ぶ

好んでこの地を這っているの
捨てられた破片が手に入るから
誰もが決めかねていると分かるから
目線でごまかせたとしても

嘘で塗り固めた優しい世界
真実は意地悪なばかりで
偽装だけが唯一感じられる
ぼくにとっての温もりだった

誰にも弾けない曲は
誰にも聴くことができない曲だ
きみの心臓だけが奏でうる
ぼくが誰にも聞かせたくない音楽だ

1件のコメント

コメントは停止中です。