No.671

おまえがここにいる
八度目の正直を裏切って
性懲りもなく
ぼくをスケープゴートにした
忘れるわけがないのに

投げつける言葉もなくなって
空き瓶にさした花をもちぎって投げる
勢いが足りなくて祝福に似る
バカにしてんのか、
天にまします我らの主よ?

心臓から毒が抜けてって
前倒しの夜が来る
深くて甘い波が来る
空からレモン果汁が降ってきて
誰かの仇は滅亡に至る

なあ、おまえはなぜ
ぼくから復讐されると思わないんだ
月は動脈のありかを教えている
断ち切ることは難しくない
だって白昼のようにあたりは明るいのだ

隣室からラジオが聞こえてきた
ぼくを救う唯一のロープみたいに
踏み出そうとして邪魔が入る
手首に巻かれたシロツメクサだ
おまえは本当に邪道を好む

しぶしぶと磔刑に処される
天国はすぐそこにあるのに
天国はすぐそこにあるから
生きることをやめないでもいいか
復讐するなら夜明けを待ってもいいか

そんなふうに考えるんだ
そんなふうに考えてしまうんだ
目覚めたら鳩尾に一発だ
蹴りたい寝顔に落書きをする
報われないぼくの孤独を思い知るがいい