no.108

電球の切れた部屋を青い閃光が照らす一瞬
何もかも虚構じみていると思う
同居人が目を覚ました気配がする
目を覚ましながら横たわっている

感じていたのだ
ゆっくり腐りかけていた骨肉がとろけ出すのを
まろやかな眼球は先に流れ出したけれど
その他は時間をかけてまろび出る

羨ましかった者を思い出せ
それが僕のなりたかったものだ
栄養も満足に取れない
縫い合わせた口唇では

優しかった名前を思い出せ
それは案外呪いになっていたりするものだから
減るものは増えるけど
そこから書き出せる詩だってあるはずだ

惜しむほどの時間はない
想像くらいはできるだろう
間違うくらいは比じゃないだろう
何をしているのかを意識しておくことだ

光がふたりを探している
罪と罰はアンバランスだ
不在と名付けたい部屋で
死者が横切るのを今朝も見た

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