no.106

たいせつにして
たいせつにして
たいせつにしておいて

ある日突然たたいて壊す
破って投げ飛ばす
引き裂いて

それはもう、
ぼろぼろにしてしまった

汚れていないことを恥じて
掴み損ねた皺の奥に
誰も気づかないうちに

みんなのわかる方法で
誤解を承知で
正しく認識されることを放棄して

偽り通すことが生き甲斐でした
暴かれないことだけが使命でした

短い夏と長い冬でした

それは誰
それは何
今も、この今もだ

あなたはぼくを知らないでしょう

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