輝くものは残酷だ
視界がちらつく
伝わってしまうことを恐れ
俯いて歩くしかない生き物に
たとえば夜なんかは優しい
世界が仕組んだのではなく
ましてや思惑などなく
この塊が徹底的に無関心とされていること
そのことに安心を覚えるのにちがいない
遠ざかるほど青は澄みながら深く
ときどき銀色にけぶっては
振り返るぼくを柔らかく嘲笑っていた
持ち主のいない死体の
奔放な漂流を羨みながら
なおさら大事そうに抱えながら
前へ進むだけの非力なぼくを
臆病をゆるして
約束はしないよ
かわりに祈っている
光を奪ってそんなにも輝かないで