No.647

赤い点滅
聖なる領域が飲み込んでいく
ノートも花壇も棺桶も
解読を望まない暗号も

有識者が扇動する
ぼくらの未来を左右する
今だって正論に侵食されてる
祈りはしない、だって叶わないだろ

進みたいと思うんだ
目をつぶる言い訳が祈りなら
取り戻したいと思うんだ
昼も夜も忘れないなら

立ち上がるために挟んだしおり
明日があるという無邪気な期待
もし裏切られるんだとしても
予感だけでうずくまりたくない

ぼくらは嘘を見抜くことができた
ぼくらは暗号を解読することができた
ぼくらは遺伝子の組み替えができて
ぼくらは新天地を創造できた

その一方で

ぼくらは花の色が分からなかった
ぼくらは雨に濡れないために傘が必要だった
ぼくらは眠らないと疲れてしまうし
ぼくらはぼくとぼくでは生きられなかった

大切にしたいわがままと
大切にされたいエゴを売って
飲み込まれていくものを羨んでもいる
連れ去られるものを軽蔑してもいる

(脈動なのよ、警笛じゃなくて、
あなたに見えている赤の点滅は、
あなたが生まれる少し前に、
私が感じた温もりなのよ)。

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