no.101

これから足を踏み入れようとしている
佳境の結末を知ることができたなら
予感だけこんなにも強く
まだ起こっていないことのために怯えている

いつか触れ合った魂はみんな綺麗だったから
今や夥しい愛を受け入れる形態になっていて
それは確かにそうあるべき姿だと思うし
何かにつけて褒めそやすことも妬みに見えるかな

救わせてくれるものがどんどん消えていくよ
隠し方がうまくなって、嘘が本当になって
助けさせてくれるものが減っていくよ
はやくはやくって手を繋ぎあって仲間はずれ

僕は自分がいつか死ぬとは思えない
そんなはずは無いとわかっているけど
死は、
踵の結び目を断ち切られた影法師みたいに
埃の積もらない部屋の床に投げ出されている

紙飛行機が運んでくるたくさんのデマが
だけどあるひとにとっては動かしがたい真実が
騙されることもできない僕を笑うためだけに着地
その杜撰な折り目にまだ残っている指先の温度

(だれのもの?)

そばでずっと鳴っている
寝ていたって鳴り響いてる
生き物には発し得ないような輝きなどが
おまえの文法はおかしいと言うけど怒らないで

それはときどきこちらに伝わる言葉に変わる
鳴りながら変換してくる
望まなくても僕には分かる
贈る相手もいなかった光のやり場に困ってるって