No.634

変わらないものに縫い止めておくといいよ。たとえば星座とか。人の命より長ければいいよ。めぐるものでもいいね。春が来るたび咲く花だとか。忘れたい、忘れたい。願うたびに刻まれてく。遠ざかりたい、遠ざかりたい。祈るたびに距離はゼロからマイナスになる。なにも手につかない。ほんと、あなたって、ぼくをきずつけることばかりうまいんだから。わかっているのに、帰ってきちゃうんだから。忘れたい、忘れたい。遠ざかりたい、遠ざかりたい。だけどそれを繰り返すのは、他でもないぼくでしかない。あなたはいつだって忘れられたし、遠くへ行けた。ぼくの手なんか放して。

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