No.622

うつらうつら
パズルのピースが剥がれてく
ぼくが見たかったもの
ああ、ぼくが見たかったものだ

完成しないよう飲み下したよ
ウエハースみたいだった
そんな気がするんだ
そんな思い出にしたんだ

悲鳴も歓声も聞こえない
ほんとうの静寂は
ほんとうの平和は
色も音楽も要らなかった

ぽとりぽとり
鼓動のたびに血が海に落ちていく
なかなか帰らないので一滴一滴
次は夢で再会しよう

修正は必要ない
終われば良かったんだ
きみが見る夕陽に溶けて
今しかない、この今を照らすんだ