No.610

無限じゃないのに
僕たちは隠したんだ
そして鍵を捨てたんだ
見つけたってもう触れないように

いろいろに空想できる
ようにさ、もちろんだよ
例えばこの初恋は酸っぱいとか
正解がないほうが幸せなんだ

遠回りして時間稼ぎ
水たまりの波紋ですぐ分かるのに
こじらさせて時間稼ぎ
余った命を意識しないという贅沢

仮にスープ
そう、カップいっぱいのスープになる
すべての細胞にお願いをして
あなたが死なないよう頼んだりしたい。

与えられて奪われたい
一欠片になって傷をつけたい
主人公なんてもうやめたい
白いあなたの目覚めを待ちたい。