涙より血を
何度も要求した
壁を正視できなくて
あふれる色を止めた
胃袋が鳴っている
愛を食べた
それは少し腐っていた
食べなきゃ良かった
冷蔵庫にそれしかなかった
お金もなくて
あとは冷えたスプーンと
動物の舌
一日中川を眺めている
いろんなものが流れている
広告やサンダルや骨
鉄骨や毒や三角巾
誰が住んでいますか
誰が何を失って
ああ、あれは
消失したリボンではないのですか
振り払った一瞬は
少しだけ優しかった
お互い期待していた
演技だとわかっていた
夢なら覚めるのにな
そう思うのは勝手だ
覚めない夢だってあるさ
終わらない現実があるように
妄信せずに生きられない
ぬくもりが牙を剥く
不釣り合いな信頼
川は、とどまる勇気をいまだ持てない。