No.596

ギザギザを包む空のした
喧騒を飲み込んだ静寂のなか
きみとぼくはひとりで生きていくの
手をつなぐくらいで一つにならない

春に散る花
夏に照る青
秋に昇る月
冬に瞬く瞳

一度飲み込んだ思い出は抜けていかない

ひとりで産まれた頃を思い出せない
それでもばらばらなまんま
ぜんぶ記憶してひとりで歩き出すの
幸せな魔法使いだったことだけ忘れて行くの