No.592

あの子に出会わなかった僕と
あの子に出会ってしまった僕とが
国道沿いで出くわす
西の空に月がまだ光る明け方に

これはまいったな
正真正銘のバグだよ
平行線はいつだって
正確でなけりゃならなかった

でもこんなこともあるんだ
でもこんなこともあるよ
そちらの月は綺麗か
こちらの月はいつも綺麗だ

幸せを確認したいの
あるいはそうかもしれない
世界が息をしていない
あの子はまだ枕に埋もれてる

手元に隠した灯りが素顔を映し出す
どうしようもないから痛くはないよね
それぞれのあの子を迎えに行く
微笑んで僕たちは何事もなく行き交った

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