あの子に出会わなかった僕と
あの子に出会ってしまった僕とが
国道沿いで出くわす
西の空に月がまだ光る明け方に
これはまいったな
正真正銘のバグだよ
平行線はいつだって
正確でなけりゃならなかった
でもこんなこともあるんだ
でもこんなこともあるよ
そちらの月は綺麗か
こちらの月はいつも綺麗だ
幸せを確認したいの
あるいはそうかもしれない
世界が息をしていない
あの子はまだ枕に埋もれてる
手元に隠した灯りが素顔を映し出す
どうしようもないから痛くはないよね
それぞれのあの子を迎えに行く
微笑んで僕たちは何事もなく行き交った