No.590

鏡にうつるあなたを見ていた
じかに見ることができないで
嘘なんかで何も救われないのに
目の前の一瞬を生き抜くために

指で象ったサインが
ぼくに終わりを伝える
始まりを伝えた時のように
さみしかったのは、さみしいと思えなかったこと

ここを立ち去るとき
ぼくはもう少し壊れるんだと思った
現実はそうじゃなかった
脈拍は確かで呼吸も穏やか

譲られた一瞬を生き永らえたくらいで
何も変わらないのに
分かっているのに
何度捨てても新しい光がこの手にうまれた

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