No.589

眠りはうたかたの死で
布地に染みる雨は冷たくて
会いたいと錯覚した
恋しいと錯覚した

百年は待つつもりで離れて
飛行機雲が何本も空を切って
夕焼けはいくつもの命をもらって
美しいはこうだよと教えた

舌で丸めた幼い呪文
簡単に誰かの手に渡っていく
うさぎを追いかけて月まで行く
知っていて知らない世界できみを迎える

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