No.588

ページのあいだに住む黒猫
目が合った三日月がウィンクする
手を伸ばさなかったことを叱って
自分の傷ばかりが痛かった

いつまでも真っ白なワンピースが
恥ずかしくなって汚したあの子
紛れ込むことが最優先で
自分なんかどこにもなかった

ひとつも笑えない
ぼくだっておんなじだから
みんなきっとおんなじだから
似てる、そう見えるよ

無数の色が混ざる場所
すきとおって呼吸が楽だ
優しいのは土の中だけ
誰のことも吐き出さない

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