no.86

我にかえってはこの夢はさめる
指から力が抜けて全部床に落ちてもいい
計算できなくてもいい
なにも正しくないことをわかったままでいい

夢をみていた
夢をみていた
しあわせの意味を知ったとき
初めて口にしたとき

たったひとりだった
白い光でぬるくなった水
赤い脈と青い脈が規則正しくて
あなたはそれを乱したい

視界の端でモザイクタイル
懐かしい味がする
からっぽの口の中
乾いた風が瞬時に潤う

夢のなかで
遠いはるかなゆめのなかで