No.561

本当と偽物がわからないの
白すぎたんだよ
どこが底辺か知らされず
物語ばかり埋め込まれたせい

自由だと思うんだ
きっと自由だと錯覚するんだ
信じているなら間違いがない
疑うよりもずっと真に自由だ

死にたい夜を越えて
まだ誰もいない街を歩く
夢の続きかと思いながら
滅亡後かと思いながら

遠くのほうからやってくる
それはぼくを覚えている
だけどぼくは忘れてしまってて
きみの名前でそれを呼んでみる

血が通うように光がさす
壊したい人や壊れない人の
窓辺に新品を携えて
夜のためにまた起きなさいと言う

ふと何もかも見えなくなったふり
みんなしていること
みんながしてほしいこと
ぼくときみがしてこなかったこと

いつかのあやとり
輪っかのままで毛糸が落ちている
何の形をつくっていたんだっけ
見覚えのない落し物かも知れない

懐かしい気持ちで呼ばれたい
もう一度はじめからなんて面倒だ
不自然に歪んでもいい
白い紙の上では歪みは無いも同然だ

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