No.548

言葉が出なくて空を見た
口に星が落っこちた
咀嚼して飲み込んだんだ
あす別の生き物になれますように

待っていれば落ちてくるのか
君の心がままならないことに
腹を立てているようではまだ
これからもまた翻弄されるんだ

差し出した手のひらをすべらせる
表示された色がイメージと異なる
違う、もう一度すべらせる
繰り返すうちに欲しいもの忘れてしまった

先に壊したほうが痛みも少ない
壊れやすいものを守ることは難しい
少なくとも僕にとってはそうだった
つけ込まれやすい平和はリスキー

目を開いておくよう伝えよう
無責任な甘い夢を見ないように
夜のすみっこを探さないように
僕に隠れて泣かないように

口を開けば星が降ってくる
躊躇わずに噛み砕いて飲み下せ
何千何億もの物語が無効になる
誰かを傷つけずに誰も生きられない

君は僕を傷つけていく
僕も君を傷つけていく
そうすることでしか埋められない
そうしたって分かることは何一つなかった