No.503

許されなかった恋のひとでなし
ぼくようやくわかった気がする
あなた禁じられることに酔ってた
その目はぼくを見ていなかった

供給源を断てない草の根
どうしてあなたを捨てられる
心中には遠い、夢見には妨げられる
走るうちに知らない風景

なるほどこうして時はすぎる
見慣れないあなた、年老いたせいだ
ぼくと再会し驚愕で目を開く
姿が百年前と変わらないので

そのころには虚言癖
誰もあなたを信用しない
悪気はないけど信用はしない
なぜって毎日支離滅裂で

あの子は湖底に沈んでいるんだ
おれの身代わりにそうなったんだ
積もる泥は冷たく重たいに違いない
早くあの子をすくっておくれ

でたらめを言うおじいさん
すっかり呆けてしまってね
昔はそりゃあ溌剌としていた
女の子の取り巻きも多くてね

気づかなかったろう
あなたぼくを見ていなかったから
傷口がすぐにふさがるんだ
これがぼくのささやかな復讐

教訓、恋するすべての人へ
愛をささやくひとから目をそらしてはいけない
その傷口はあまり早く完治する
あなたが他の生物を見ているあいだに