No.496

素敵だ、ここまで潜ってきたの
帰り道はなくしてしまう
水平線をつまみあげて
もう浮上できないように

花火の魔法
夏の幻
海中は相変わらずです
よくぞここまで来てくれた

発達しない器官を
想像力でおぎなって
それぞれのストーリー
それぞれが満たされる音楽

地上にまだ誰も届けていない
凶暴な静寂
連れ戻されたくない
ぼくは誘拐されてなどいない

だけど引き裂かれるまどろみ
時間帯と角度のせいで
あなたが泣いて見えた
夢ならいいと思ってた