no.482

みんなあこがれのヒーロー
きみが負ける瞬間を
見届けるまでがぼくの役目
だれも気づかないけど

戦いたくないときもあるよね
守ってくれという奴がずるくて
安全な場所で震えるだけで
弱いことをいいわけにして

だから間違ったことをしたくなるんだ
悪役にそそのかされたふりでもしてさ
鏡を割ったら本当の黒幕を知るんだ
一番泣き虫なあいつだったって知るんだ

キラキラはドロドロ
だけどヒーローは迷わない
たくさんの眼差しが眩しくて
青空だけが似合うだなんて

残酷だと思う、率直に言って。
か、
わ、
い、
そ、
うだなって思う、シンプルにね。

この場所でずっと思っていたよ
見向きもされない青春だった
やめてしまえばいいのにって
どうぞぼくのせいにしてくれ

ただ単に楽なんだ
傷ついていないほうが
正義を疑わないほうが
自分を信じていてもいいから

平然と次世代へゆずろう
悪にも正義にも染まらないで
ひとつの物語を終わらせよう
緞帳が下りたら脈絡のないキスをしよう

ぼくのヒーロー
ふたりで一生分の間違いを犯そう
ぼくだけのヒーロー
きみなんかがいなくてもこの世界はだいじょうぶ。