no.481

あまい時間を過ごして
夢の中でほどけていく
どんなに強く結んでも
嘘のようにほどけてく

どれだけ頼りがなくても
あなたはぼくの幸せでした
今どんなに冷たいだろう
月の光さえ跳ね返せずに

初めて会ったときのことも
初めて傷つけた日のことも
昨日のように思い出せるし
明日のように予感できるよ

原型は違っただろう
ぼくがどうにでも作ったんだろう
誰にも迷惑をかけずに
本当のあなたが消えていくだけ

近づいては離れる
真相は水槽に泳ぐ一匹の金魚
ついにつかむことはできない
ぼくの弱さがそうさせた

守りたいんだと仮定して
どんなわがままもねじ伏せた
思いだけは正当だと
血の通わないことで安心をして

ヘッドフォンをつけたまま眠る
あなたに届かせたかった
見知らぬ大勢や
得体の知れない世間じゃなく

鏡にうつった自分が姿を変える
そこには笑わないあなたがいて
夜よりも真っ暗な視線を送ってくる
向こう側からはぼくが見えてんだろう

真っ白な手紙が届くよ
あかりをつけ忘れた部屋で
嵐より恐ろしい静けさの果てに
悪意のない朝を発見するあなたへ

だいじにしていた貝殻が砕ける
こじあけた世界を風が吹き抜ける
楽園でならあなたは笑うことがあるんだ
それを知ってるぼくはもう泣かない。