あまい時間を過ごして
夢の中でほどけていく
どんなに強く結んでも
嘘のようにほどけてく
どれだけ頼りがなくても
あなたはぼくの幸せでした
今どんなに冷たいだろう
月の光さえ跳ね返せずに
初めて会ったときのことも
初めて傷つけた日のことも
昨日のように思い出せるし
明日のように予感できるよ
原型は違っただろう
ぼくがどうにでも作ったんだろう
誰にも迷惑をかけずに
本当のあなたが消えていくだけ
近づいては離れる
真相は水槽に泳ぐ一匹の金魚
ついにつかむことはできない
ぼくの弱さがそうさせた
守りたいんだと仮定して
どんなわがままもねじ伏せた
思いだけは正当だと
血の通わないことで安心をして
ヘッドフォンをつけたまま眠る
あなたに届かせたかった
見知らぬ大勢や
得体の知れない世間じゃなく
鏡にうつった自分が姿を変える
そこには笑わないあなたがいて
夜よりも真っ暗な視線を送ってくる
向こう側からはぼくが見えてんだろう
真っ白な手紙が届くよ
あかりをつけ忘れた部屋で
嵐より恐ろしい静けさの果てに
悪意のない朝を発見するあなたへ
だいじにしていた貝殻が砕ける
こじあけた世界を風が吹き抜ける
楽園でならあなたは笑うことがあるんだ
それを知ってるぼくはもう泣かない。