no.479

近いうちにあなたが終わる
さみしさも覚えないうちに
ぼくは受け入れるしかない
息継ぎなんてできないまま

あなたを好きなぼくでなくては
理由なんかみつからなかった
いつでもきっかけだったんだ
でも伝えたことはなかった

おばけみたいな入道雲
人間なんてシルエットでしかない
名前を与えて顔を与えて
それでようやく判別ができる

ぼくはひとりを平気だったよ
詩を書いたりしなかった
みんなへ向けてなんか
ただ、
膝に頬をくっつけたあなただけに

溺れようとして埋まりきれない
殺すべきではないからだ
あなたはぼくに気づかせたせいで
自分の中から抜け落ちてしまった

きっと、そう。

新緑を思い出せないんだ
幻を繰り返して変形させてしまう
同じまま持ち運びたいのに
ぼくが変わるから変わってしまう

生き延びないで
ぼくがいないあなたで
もう一度きれいに笑わないで
あなたを消した張本人になりたくない

やさしさを否定するのは別のやさしさ
愛を打ち消すのはまた他の愛
何もただしく矯正できず
離れられない肌を疎んでひっかくだけ