no.477

噛み合うようにできている
だれのせいってわけじゃない
こんなものでも命なんだ
消そうとしても消えないだろう

ぼくはしくみを調べる
病の治しかたや食べ物の摘みかた
星が落ちてこないのはなぜか
必ずしも真実でなくて美しいほうをとる

きみがいつかひとを憎むときに
思い出して欲しいから
もしも致命傷を与えそうなときに
この光景が一度でも過ぎってほしい

ぼくは知っているから
きみが優しくも意地悪でもなく
ただあたたかく柔らかだったことを
名前のない頃からそうだったよ

仕方のないことだと思うだろう
きみが誰かのことを壊しても
きっと仕方ないと思ってしまう
そして守ろうとしてしまうだろう

山の向こうに沈む太陽がきれいだね
あちらでは新しい朝が来るんだ
次にひろがるのは星々だね
ひとつも地上へ分けてくれない夜だね