no.473

頭の中で空が破裂する
あなたは鳴かない
児童もみんな
気が、狂いそうと歌う

誤解とは命綱だ
新しいものより尊いものだ
ひとつ以外の見方があって
騙されてくれる人のいることは

だって、どうかな
もしも正しいことばかり
言われる日が続いたら?
まちがいが矯正され続けたら?

振る旗はないけれど
振る手はある
メッセージはないけれど
いつでもさよならは言える

涙は流れなくても
血は流せる
本物でなくても
似せることはできる

なぜ希望と呼ばないかな
幸福を認めないかな
絶望視したがるのかな
それじゃあ運命の思う壺

ぎりぎりで蘇生をする
もう誰も覚えていない媒体で
文字くらい書けるよ
読めたり理解ができなくても

ぼくをちぐはぐだと感じるように
ぼくもあなたをそう感じているんだ
これはとても誠実な証言ではないかな
分かったつもりで歩み寄られたくない

夜の星は回収されねばならない
平気で青空をひっかくから
そして表面のくすんだガラス瓶に詰めたなら
何もないふたりの部屋に飾ることもできたね