no.471

聞かせられない言葉が淀む
絶えずぼくを守るまぶたに
やがて世界の色が変わっていく
気づくことなく指摘もされず

あなたは知ることができない
ぼくはどれだけ酷いことも平気
あなたは歌えるし踊れる
ぼくの憧れは止むことがない

稜線をたどっていく
追憶はあの場所に執着する
思い出は優しく美化される
願いの前に事実は膝を折る

すべてゼンマイ仕掛け
誰に操ることもされない
あなたが流した涙が
想定できない形でぼくを突き動かす

夢を、話したでしょう。
先にひけらかして暴くために
ぼくの目にはぼくのほうが劣っている
素直さもまっすぐ愛する理由にならない

灯台を眺めていたら人魚が落下した
おびやかされないでいるべきだった
ぼくには今でも人間に思える
繰り返すほどにそればかりが鮮やかだ