近づいて欲しくない
所有してくれないのなら
たまに心臓を抉るくらいで
説明もしてくれないのなら
今ならわかるよ
音楽も小説も誰かの正当化だった
どんな薬もぼくには効かない
そもそも病名が無いのだから
愛する人が自分自身を貶めるんだ
ぼくは何度も否定するんだ
そのたびに失敗するんだ
決定的な言葉を口にしないせいで
守るより傷つけるほうが容易くていいや
何故って自分も傷つくから
同じ感じ方をできるものには鈍感だ
結果として予防線はばっちりだ
どうしようもない
ふたりで逃げたって
たしかに少しは前に進むのかもな
だけどすぐに捕まるのだろ?
ステンドグラスが光を落とす
握ったことのないか細い手に
冒険を望めない体に
それはなんて静謐なんだろう
名前をつけたくなるんだ
人はきっとこういうときに
記憶に残りたい、残したい
もがくほど上手くいかない
居心地の悪さを通り越して
いっそ癖になってしまうな
悪いゲームのようで
目を離せなくなる
審判ごっこはやめよう
ホールドアップで臨戦態勢
目を逸らしたほうが次の鬼だ
必ずぼくを捕まえてくれ