つめたい魔法がとけるとき
ぼくはこの目をつむっていよう
平気なほど強くないから
きっとこぼれてしまうから
つながらない言葉を口にする
でたらめだと怒られもする
いちばん遠いけど真向かいで
敵でも味方でもないきみが笑った
たぶん、それでいいんだろう
きみはぼくを見ているだけで
何でもないようで大変なんだ
この距離を保つことは
湾曲したガラスの面が
手首の痣を隠してくれる
ここをいつまでも動かないことで
明るみに出ないものなんてないのに
誰も例外ではない事実
知らないまま明日を迎えたかったな
きみはもう翼を隠しきれなくて
泣きながら真実を告白するんだけど
聞きたくなかった
嫌いにもなれないのなら
人になどならなかった
否定が疑惑を肯定する
演技だから平気だった
劇場だから踊ることができた
もうすこし傷ついてみたかった
終わりのつづきを聴きたかった