no.459

空がきれいで明日はお休み
ベランダに出てきた
きみの手にすみれの液体
もしかして毒だったりして

それはどういたしまして
だって夢があるじゃない
血が何色してたって同じだよ
旋律が逃げないよう耳を切った

トロイメライ
クレッシェンド
セレナーデ
フォルテシモ

鼓動は世界最小
沈黙にさえ溶け込んで生きられるようにだ
そこにしか灯らない明かりがあるから
きみを救うくらいわけないんだ

海のにおいがする
行ったこともないのに
ネオンの輝きが見える
歩いたこともないのに

知覚はかんたんに騙される
不平等なんて信じる人だけのもの
絶望を分かち合うことが希望でしょ
違った?

分けられるはずのない
不幸を分かち合うことが幸福だ
いいや違わない、
きみが間違うところをぼくは知らないんだ