no.454

一色だけ混ぜていく
もとに戻らないものを味方にしたい
夜はぜんぶきみのもの
ぼくだけが知っていたらいいな

指先と瞳の色だけで覚えているよ
生まれ変わっても見つけだすよ
こんな約束だってむすべるよ
だって生まれ変わったりしないから

花で編まれた橋を渡る
三日月をひっかけば猫の鳴き声
棚にしまいこんだティーカップが消えた
ぼくもきみも存在しない日のことだ

どこにも届かない文字が
切手に頼ることなく海を渡る
誰にも影響しない日々が
いくつも積み重なって甘くなる

天国はまだ遠い
それはとほうもない幻想だ
ぼくが寝過ごした屋根裏にそれはある
ぼくが愛しそこねた軒下にそれは立つ