光景が溶けて
そのとき初めて
時間が凍っていたことを知る
認めたくなかった
きっかけがないと
思い込もうとした
ひとりよがりの世界で
迷惑にならないと
細胞を死なせつづけて
もうひとりのきみに
たずねてみるんだ
どう、どこへ、流れたい?
悪くなかった
そう言うと思うんだ
たとえばこの道を選んだとしても
いいねと言うには
きみはまだすこし
やわ、だ
否定してきたものを
肯定するには
まだすこし、だけ
何十年
何百年
何千年
きみの孤独は
亡霊となってさまよう
もしもあたらしい時代にも
落日という閉幕があるのなら
ふと囚われた演者が泣くんだろう
混ざっても澄み切った血の海の上で