no.57

居残りイルミネーション
クレーンは
破壊のために鎮座する
ヘッドライト、粗雑なルーペ

君は僕を責められない
悪者になることが
君を傷つけるから
僕が抉る比じゃない

小さな笑い声
善意の洪水から弾かれ
滲んだ視界に息を吐く
それを言葉にはしたくない

強いひとは強いだけで
弱いひとは弱いだけで
どうしてできていないんだろう?
裏をかきたくなってしまう
秘密を知らなきゃいけなくなる

正直者はある人の前では嘘つきで
嘘つきはある人の前では正直で
信じることもない自由を憧憬し
何も手に入れられないという結末