no.56

微熱は夜明け前に発覚した
優しい話し相手はごめんだ
たかが孤独を埋めるために

枕の下に受話器を押し込む
照らし出される背中
こじつけの名残を鏡だけが見ている

花束をほどいて降らせて
光からも僕を遮る
新しい世界で
まやかしでない君は