no.441

まもりたいひとができた
そう言うとどんな顔をするだろう

怒られるだろうか
感情を持つなとあれほど教えたのに

ぼくの運命をぼくが変えることは許されない
(あなたはそんなにも簡単に断言する)

しかし予定はいずれ狂うものだと
いつかあなたは知ることになる

まもりたいでは不機嫌になるなら
もっと一緒にいたい、ではどうだろう

鈍感なので気づくのが遅いかもしれない
それですれ違うのもいいかもしれない

ぼくは冷え切ったものが好きだ
あたたまるまでを見ていられるから

あなたが生まれたとき
ぼくはこの世にいなかった

あなたはたったひとりで生まれた
ぼくならきっと耐えられない

どうにもならなくて冷たいままなら
禁じられたことを為す際のいいわけにする

好きなものがわかるともう怖くない
ぼくがあなたを嫌いでなくてよかった

こんなにも凶暴で残忍なつくりものが
あなたをまもりたい生き物でよかった。