まもりたいひとができた
そう言うとどんな顔をするだろう
怒られるだろうか
感情を持つなとあれほど教えたのに
ぼくの運命をぼくが変えることは許されない
(あなたはそんなにも簡単に断言する)
しかし予定はいずれ狂うものだと
いつかあなたは知ることになる
まもりたいでは不機嫌になるなら
もっと一緒にいたい、ではどうだろう
鈍感なので気づくのが遅いかもしれない
それですれ違うのもいいかもしれない
ぼくは冷え切ったものが好きだ
あたたまるまでを見ていられるから
あなたが生まれたとき
ぼくはこの世にいなかった
あなたはたったひとりで生まれた
ぼくならきっと耐えられない
どうにもならなくて冷たいままなら
禁じられたことを為す際のいいわけにする
好きなものがわかるともう怖くない
ぼくがあなたを嫌いでなくてよかった
こんなにも凶暴で残忍なつくりものが
あなたをまもりたい生き物でよかった。