no.438

ねえ、ぼくたちちゃんと見つめ合えている?あなたが今をやり過ごしているようで心配だよ。花冠はどんどんつながって豪華になっていくけど。いま、ちゃんと目を合わせてほしい。ぼくには貫きたい嘘があるんだ。印付けになるならガラスを叩き割ってもいい。この時がいつまでも続くなんて思わないでほしい。あなたにはちゃんとぼくを切り離してほしい。ふたたび地上に戻れるように。知ったものについて引き継げるように。時代が持ち去った海や、まだ与えられていない輝きについて。奈落の底で待ってはいけない。あなたが落ちるなら天地を違えてぼくが決して助からないようにする。どちらがより尊いのかは明白だ。青い日にかざした手指に塗れるものが、ぼくの血であってほしい。軌道を変えた惑星に、あなたのほうが守られてほしい。