no.437

朝がこないならいい
来るとわかって言い聞かせる
あなたはさみしい目をする
それも生まれつきかな

暗闇で光が踊るのを見たよ
平気そうだった
夢は逃げないと言っていた
誰も平等に知らされない

年号が変わるね
この夏も標本箱に並んでいく
ずっとリアルだと思っていたのに
ぼくのリアルもいつか文字になる

同じだった
ぼくが振り返るように
まだ会わないあの子が振り返る
視線は決してぶつからない

星が流れた
そう錯覚をした
どんなに美しいか知らないだろう
あなただけは気づくことがない

外側から見ることがないから
ぼくではないから
あなたの名前でぼくを呼んで
途方もない距離が分かるだろう