no.433

みんなすこやかであってほしい。きれいごとだって笑うんでしょう?生まれたときに、いちばん好きだったひと。ぼくの、いつも、大好きになるひと。わかっているなんてうそだったね。でもそれは、それしかないひとの、せいいっぱいの「だいじょうぶだよ」だった。支え合えないこと分かってる。少しでも誤解されないよう、怯えながら歩み寄るしかないことも。二度と戻らないんだとしても。未来は想像していたよりずっと、ずっと、なんにもない。ふたりは絶望にすこしだけ期待していた。夕焼けがきれいな日に死にたいね。まだ柔らかさのある、しめった手をつないで。音楽の教科書が鞄に残ってる。(あなたたちの選んだ楽曲は何の未練にもならない)。かすり傷ひとつひとつはぼくたちを守るものだった。昨日、道で、見た、内臓と毛玉がいっしょくたになった小さなもののようになれるかな。分別のつく前に。お互いの手がまだ愛しいうちに。やがて分かってくるんだ。それでも生きていけちゃうことに。他人と自分のあいだにある時差ぼけは修正できるってことに。笑うことも泣くことも自然だってことに。緑に隠された夏休みの入り口。ぽっかり空いた穴の奥には何があるんだろ。誓ってこれは好奇心だ。もう行っていいでしょう?この先を知りたいんだ。ぼくたちに関係のあること。のぞいてもいいでしょう?贅沢に呼吸できたこと忘れないから。数字になって会いに行くよ。

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