つらいのは、本当につらいのは、忘れるまでだ。忘れたら、本当に忘れるということは、もう二度と思い出さないということだから。努力しなくても。心がけなくても。思えば何かの途中はいつも物悲しかった。生まれる時も、消える時も。人の手が作ったものが自然より醜かったり汚れて見えたとしても、何度でも打ち消せる。だって、宇宙にネオンは無いでしょう。何万光年離れた星座の放つ光より、今、僕に渡れと言ってくれる信号の、揺るぎない緑が好きだ。目に映る色彩で一番に好きだ。この目の光、賭けてもいい。ずっとそれだけで満ちていたい。