no.411

指先は覚えてる
頭はもう忘れちゃったけど
初めてあたたかかった
スープを切らした雨の夜

この先何度も夢に見るだろう
その点では呪いかもしれない
ぼくは何も生みたくないし
きみは何も持たせたくない

似ているんだよ
繋ぎたくないんだ
それがひとつの決断として
認められることがなくても

褒められたって嫌だ
忘れることも無いんなら
閉ざされた浴槽
もう過去を躊躇うの?

嫌いなことに向き合う方が楽だった
そっぽを向かれて当然だから
好きなものだけが怖いんだ
嫌われたら死んじゃいたくなる

簡単だね
そうでしょう
意味なんてない
ある人に会ったこともない