no.403

ぼくには見えるよ。きみが生きていきたいみたいに。太陽が沈むときに世界が切り替わる。その一瞬だけでも。名前なんて関係ない。どんなふうに呼んだってきっと変わらなかった。水滴がいくつもこぼれて、道具は要らなかったと後悔をした。血の中から誕生と破壊を繰り返す。誰もまだ正しくないよね。それなのに、そう見える。ぼくたちみんなわざと視点をずらしているのかもね。つまり、正解が分かっているんだ。やがて別のものにすり替わってしまう特性も。この傘は一人分だけど、ふたりで濡れることだったらできる。降り注ぐものがぼくたちの知らない色をしていても。ぼくには見えるよ。きみは化け物とも天才とも違う、ただぼくの好きなひとだ。

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