no.402

この世界でもっとたくさんの明日を迎えたいって初めて思った。きっと運命なんだよ。深夜番組で涙を流すことも、お気に入りが生産中止になったり、みんなに笑われた恥ずかしい思い出、ナイフを買うために何度も往復した狭いアパートの長い廊下、うまく笑えないことへの罪悪感、深海なんて知らないけどそれとたぶんよく似た、誘蛾灯のささやき、もっと生きやすいようにモザイクにしてあげるよ、その悪意さえも甘くて美味しかった、チョコレートよりずっとそうだった。世界は言うだろう。君に、僕に、何者かになれと。ただちに染まってしまわなくても大丈夫。何のためにならなくても、存在して問題がない。質問は何かの答えであるということ。僕は次の朝も目覚めるよ。誓ってもいい。必ず目覚めるさ。君は、どう?(いや、ちがう、いいたかったのはそれじゃない)。君も、どう?何度でも呼びかけるよ。