no.398

似たものを手に入れた
違いばかり目について駄目だな
無くして初めて名前を知ったよ
いつか青い風景の一部になりたい
巻き戻せない時間を抱えた人が
透明の七色に降り注がれているときに
手も足もまだ動いている
変わらない自分はもう飽きた
僕は確かに墜落したのかも知らない
だけど今いるこの場所は
墜落前よりはるかに高い
捨てられないものなんかない
一部になったものがもはや自分であるだけ
眼を覚ますより確かに変わってゆく
信じなくてもわかってゆく
待ち望んだ季節よりも確かに移ってゆく
忘れたくないものなら血にしてだって生きる