no.396

にせものの命で言葉の通じない国に生まれた。スプレーで色付けられた花がビニール袋から覗いていてそれでも美しいと思うよ。あたたかな蜂蜜のこぼれている部屋にある時とおんなじように。ぼくたちは少しずつ汚染されている、そうして毎日判断を下しながら罰している。それは昨日あいしたひとであったり、明日のぼくであったりする。仕草はいちいち記録されて春はぎこちなかった。卵が割れる音で目を覚ました夜中。ひとつになりたがった。きずつけたこともないものと。それは危険だとぬいぐるみは言った。どうせ嘘だろう。どうせ嘘だよ。いつまでもここにいるよ。約束くらい簡単さ。助からないきみがいるならば。噛み砕いたキャンディみたく誰にも話したことのない思い出が窓の下に散らばってる。ぼくたちは本当の痛いを知りたい。