no.394

いいよ、なんのためにならなくても、もう、結び方がわからなくなっても、いいんだよ、ぼくはきみが大切だった、きみだけが大切だった、そんな時間があったというだけでつぎにひきつぐものができた気がするんだ。かたく信じるみたいにレモンを握りしめている。そういった脈絡のなさが、今日も誰かの救いでありますように。結ばれないひとびとをよくねむらせますように。ぼくを終わらせますように。きみの明日をはじめますように。卵がかえりますように。木々がざわめきますように。手紙がとどきますように。この詩が誰かにしみわたりますように。そしてその瞳がしずかな光で充たされますように。

SNSでもご購読できます。