no.388

目よりも先に指先がきみを探す
今日は線がにじんでいるから
優しい感触の世界だね
捨てられたたくさんが
あたたかいを覚えて鳴いてる

僕たちは忘れることがない
痛かったことや
もう二度と訪れるなと願った瞬間
あきれるくらいに
そのひとつひとつを鮮明に覚えてる

君は笑いながら言うね
これは呪いだって
すこしだけ嬉しそうに
僕たちが一人で生きていくことを
やめない限りはこれが続くんだって

決定も判断もできない
そうしないことで救われたから
賞賛されたから
それなのに今後は変化を恐れるなと
虫が良すぎる、そうではない?

頂点で発せられる言葉はいつも
今あるものの延長でしかない
だから対極から出てくる言葉がいつも
必要性を持って生き残るんだ
認められて喜ぶなよ

揺れ止むことのないシーソーゲーム
虹の色が何度数えても揃わないんだ
どうして、簡単な答えあわせしたいだけなのに
どうして、今日もけんかになっちゃうのかな
水たまりがつまらない嘘を教えたりはしないさ