no.384

思うんだ、

ぼく以外は絶賛などしなければ良いのに
打ちひしがれて隠遁でもすれば良いのに
誰も気づかないで
誰も嫌いにならないで(好きにならないで)
左のつま先で描く円周
変動する値とあてにならない感情
よくもそんなものに期待を続けたね
頓着しないことが羨望の的だった
何故もう抜け出せないと思うのかな、
きみは何にも縛られていないのに
そう思いたいというだけのことなのかな
実害があるんだとしてもまだ言う?
片方ずつのイヤフォン
きみに流れ込むはずの音楽を引き裂いて
わずかな共有のために一をゼロにだってする
分かっている、いつか伝えるよ
きみはこんなところでくたばる命じゃない
ぼくを踏みつけて次の名前で呼ばれる順番だ

肯定から逃れられない、
泣いたって、
逃げたって、
ぼくがきみを知りたがったように、
新しい出会いがきみを欲しがるんだよ。